税込経理と税抜経理の違いは?(税額の観点から)

 少し難解ですが・・・。 棚卸資産のある会社の場合、「税込経理の方が利益が多く計上」されています。

 以下、創業1期目のケースで説明します。(なお、創業1年目には消費税の免税措置等がありますが、判りやすくするために1期目から消費税の課税事業者ということで説明します)

ケース1:税込経理の場合(1期目)

  売上高1100(税込み)、 仕入880(税込み)、棚卸資産330(税込み)

 ⇒利益は1100-880+330(棚卸の分を加算します)-20(注1)=530 ①

(注1)売上に係る消費税100-仕入れに係る消費税80=20を消費税として国に納付します。その分は税込経理の場合は、会社の経費(損金)にできます。

ケース2:税抜経理の場合(1期目)

 売上高1000(税抜き)、仕入800(税抜き)、棚卸資産300(税抜き)

 ⇒利益は1000-800+300(棚卸の分を加算します)=500 ②

(注2)税抜経理の場合は、消費税は損益の外(関係のないところ)で計算します。国に納付する消費税は20で税込経理の場合と同額です。

今、税込経理をしていて利益の出ている会社は、税抜経理に変更するのも一法ですね(変更した年度に上記①-②の30を経費にできます)。

 また、償却資産税の計算も、税抜経理の方が有利になります。

例えば機械を税込み1,100万円で買った場合は、税込経理の場合は1100万円を基に償却資産税が計算されますが、税抜経理の場合は、1000万円を基に計算されるため、約10%償却資産税が安くなります。  消費税が10%になると結構差が出ますね。