税込経理と税抜経理の違いは?(税額の観点から)

 少し難解ですが・・・。 棚卸資産のある会社の場合、「税込経理の方が利益が多く計上」されています。

 以下、創業1期目のケースで説明します。(なお、創業1年目には消費税の免税措置等がありますが、判りやすくするために1期目から消費税の課税事業者ということで説明します)

ケース1:税込経理の場合(1期目)

  売上高1100(税込み)、 仕入880(税込み)、棚卸資産330(税込み)

 ⇒利益は1100-880+330(棚卸の分を加算します)-20(注1)=530 ①

(注1)売上に係る消費税100-仕入れに係る消費税80=20を消費税として国に納付します。その分は税込経理の場合は、会社の経費(損金)にできます。

ケース2:税抜経理の場合(1期目)

 売上高1000(税抜き)、仕入800(税抜き)、棚卸資産300(税抜き)

 ⇒利益は1000-800+300(棚卸の分を加算します)=500 ②

(注2)税抜経理の場合は、消費税は損益の外(関係のないところ)で計算します。国に納付する消費税は20で税込経理の場合と同額です。

今、税込経理をしていて利益の出ている会社は、税抜経理に変更するのも一法ですね(変更した年度に上記①-②の30を経費にできます)。

 また、償却資産税の計算も、税抜経理の方が有利になります。

例えば機械を税込み1,100万円で買った場合は、税込経理の場合は1100万円を基に償却資産税が計算されますが、税抜経理の場合は、1000万円を基に計算されるため、約10%償却資産税が安くなります。  消費税が10%になると結構差が出ますね。

家賃支援給付金 1)新型コロナの影響ではない売上減の場合は・・・ 2)申請する場合は、福岡県、東京都の上乗せ申請も忘れずに

新型コロナウイルス対策で7月15日から申請の始まった家賃支援給付金。

1)「家賃支援給付金申請要領 中小法人等向け 原則(基本編)」の10ページには、「売上の減少が、新型コロナウイルス感染症の影響によるものではないことが明らか」な場合は、申請ができない旨が記載されています。この文言は、持続化給付金には無かったものです。

売上が単月で前年比50%以上減少(又は連続する3カ月で30%以上減少)しても、新型コロナの影響ではないことが明らかな場合は、申請できませんので、念のため。

2)申請できる方は、福岡県は法人最大60万円の「福岡県家賃軽減支援金」、東京都は「東京都家賃等支援給付金」の上乗せがありますので、これも忘れずに申請しましょう。


「貸方」「借方」の意味、由来、語源、理由

 経理をしていて、まずつまずくのが、「貸方(かしかた)」、「借方(かりかた)」という言い方ではないでしょうか。 「貸方」、「借方」の意味、由来、語源、理由は、諸説がありますが、以下の解釈が最も古いと思われます。

「フィレンツェのある銀行家によってなされた1211年の日付をもつ勘定記録」というものがあります。これには、銀行がA氏に対して「貸付」を行った記録が、(A氏は返済義務を負うため)「われわれに対して与えなければならない(no die dare = is due to give us)」と表現され、複式簿記の左側を呼称する「借方(dare)」に発展したとされています。  但し、この勘定記録には「貸方」の原型を見出すことはできません。

 次に、フィレンツェ地方で商人記録として最も古いとされる「リニエリ・フィニーの元帳」は1296年から1305年にかけてシャンパーニュの大市でおこなったフィニー商会の長男リニエリによって記録された金銭貸借記録および商品売買取引です。  リニエリが行った「貸付」の結果、債権が生じた場合は「de dare(与えなければならない)」などの言葉が冒頭に記載されて記録が始まります。「与えなければならない=返済しなければならない」すなわち「借りている人=借方」となります。また、受け取るべき利息が生じた場合は「de avere(持つべき)」という言葉から記録がはじめられており、つまり「受け取らなければならない=貸している人=貸方」となります。  うーん、判りにくいのですが、要は、「証拠」として、自分が「貸している」場合は、「借りている人=借方」と「見出し」をつけて「記録」したということのようです。

 ここで問題なのは、現在においても引き続き、「自分が貸している(貸付金)」のに貸借対照表の左側で「借方」と表現していることです。反対に「自分が借りている(借入金)」場合は右側で「貸方」となります。右か左かを識別するのに、「自分から」見て「反対側の言い方」をしているため、識別の意味がなく、逆に混乱を招いてしまっています。また、貸方、借方ともに「か」から始まることが更に識別しにくくしています。

 と言う訳で、貸方、借方の由来や理由は別にして、こういう言い方はやめるべきだと思います。因みに、簿記の学校では「貸方、借方は意味がありません。単に右、左の意味だけです」と説明しているところもあるようです。だったら、いっそ「右側」、「左側」と言った方が判り易いと思います。

(参考文献) 「会社記録の基礎 ㈱中央経済社 工藤栄一郎著」 「中世イタリア複式簿記生成史 ㈱白桃書房 橋本寿哉著」 「歴史から学ぶ会計 同文舘出版㈱ 渡邉泉著」

新型コロナウイルス対策で使える「固定資産税の軽減措置」「特例措置」

新型コロナウイルス対策で、売上が減少した場合には、雇用調整助成金に加えて、「絶対に活用すべきもの」は、 1)持続化給付金(加えて6月中の申請ですが、福岡県の方は、福岡県持続化緊急支援金)、 2)これから申請が開始される家賃支援給付金、 3)福岡市や北九州市の方は家賃支援 です。

今回は、上記を申請している前提で、固定資産税に関する内容を記載します。

1)固定資産税の軽減措置(新型コロナで連続する3カ月の売上が前年比30%以上減少している場合のみ利用可能)

今年の連続する3カ月の売上の減少割合に応じて、「来年」の事業用家屋、償却資産に係る固定資産税が0又は1/2になります(土地は軽減されません)。

⇒税理士等の認定経営革新機関の確認を受けた上で、2021年1月末までに軽減を申請する必要があります。

2) 固定資産税の特例措置(売上が減少していなくても利用可能)

現在ある、新規取得する機械装置、工具、建物附属設備等の固定資産税を3年間0~1/2(市町村によって異なります)にする措置に、事業用家屋と構築物が加わります。

⇒従来同様に設備取得「前」に先端設備等導入計画を提出する必要があります。

⇒事業用家屋の場合は、認定経営革新機関の確認の際に、生産性向上要件(年平均1%以上)を満たす設備等が家屋の内外に設置されることを確認、とあるので、やはり内外の設備には工業会の証明書が必要なのでしょうが、建物が減額になる効果は大きいですね。

→医療機器も対象になりますが、医療法人はこの申請ができません。

新型コロナの関係での国税の「申告・納付期限の延長」→「納税の猶予」申請しました。

新型コロナの関係で、経済産業省HPにもある、国税の「申告・納付期限の延長」→「納税の猶予」の申請をしました。

1)「申告・納付期限の延長」:新型コロナの影響で期限までに申告・納付ができないやむを得ない理由があったので、期限の個別延長をしました(延長後の申告書を提出する際に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」の旨を付記します)。

2)「納税の猶予」:売上が前年同月比△20%以上の月があったので、お客様(納税者である会社)から納税の猶予の申請書を国税に提出して頂きました。

上記2)の提出「後」に、上記1)の「延長後の申告書を提出」することにより、2)の申請が認められれば1年間延滞税なしに納税の猶予が認められます。

免除ではなく、所詮、猶予ですが、①このお客様は納税する金額が大きかったこと、②1年以内に大きな収入が見込まれること、から積極的にこの制度を利用することにより、資金負担の軽減を企図したものです。

この申請が認められれば、斯かる状況下ですので、効果は大きいと思います。

新型コロナウイルスの影響で、飲食店の売上が0円になった場合の「資金繰り」を試算してみました。

 新型コロナウイルスの影響で、飲食店(年間4800万円の売上、借入1500万円)の売上が1年間0円になった場合の「資金繰り」を考えてみます。

⇒一番下に添付の「資料」を見てください。 併せて、国等の施策についても考えてみます。

 「資料」の黄色が、変動費なので0円になります。緑色部分が、「自助努力」や「助成金を活用」して削る部分です。           

【結論】

 〇1)雇用調整助成金を使い、2)借入返済を1年間猶予してもらって、3)家賃を半額減額交渉した前提で、毎月65万円程度の資金不足になるので、この1年分780万円(65万円×12カ月)を借入できれば、倒産は免れる、ただ、「その後780万円の追加返済(月13万円を5年間!)をするのは相当シンドイ」ということになります。

〇若くてやる気のある店主の場合は、何とかできるかも知れませんが、1)地域で特別な繁盛店ではない店、とりわけ、2)店主の年齢が高い店、3)設備投資をして借入金が多い店は、うーん、返済負担は相当重いでしょうね

 なお、今気が付いたのですが、弊社はナント飲食を専業としているお客様が0社なので、若干試算が間違っているかも知れませんし、あくまで試算のため、数値の置き方で見え方が違うことになる可能性もありますので、ご承知おきください。

【国等の施策について】

〇負担の大きい「人件費」について、雇用調整助成金を使えば、「会社の負担を減らして」、「社員のもらう給与の減少額が少なくなる」のは、ピンポイントで最低限必要なお金が必要な人に回るので理屈的には正しいと思います。(簡素化されたとは言え「手続き」、支給の「時期」の問題はありますが)

〇次に負担があるのは、「地代家賃」ですね。これも、「固定資産税の減免」、福岡市の例ですが「家賃支援」の施策があるのは、「方向」としては正しいと思います(ただ、金額の多寡には議論があるでしょうが)

〇「持続化給付金」(売上半減の法人には最大200万円を補填)は、上記の例の法人にとっては、正直「干天の慈雨」です。

⇒という訳で、私見ですが、対策の「方向性」は正しいと思います。(繰り返しますが、金額と時期は、・・・ですが)

〇それでも、1)固定費のうち、リース料、公共料金(の基本料金部分)は重いので、次はこのあたりの政策を出すべきか、2)1年程度の長期化は不可避として、「復興税」のような税金を中期に亘って徴収した上で、「上記金額の上乗せ」を思い切りやるか、ということになるのだと思います。

新型コロナウイルス感染症対策の諸施策(速報版)

添付ファイル(これは抄です)のように「新型コロナウイルス感染症対策の諸施策(速報版)」をまとめました。

構成は、

第一部 借入

第二部 助成金

第三部 税金 

です。

この中には、商工中金と日本政策金融公庫の特別貸付けは「併用可」、固定資産税の軽減は「令和3年度分」について適用、生命保険の契約者貸付の利息が2020年9月30日まで0%等色々と記載されています。

正式なレジュメの欲しい方、詳しい資料の欲しい方は、弊社まで連絡ください。

日本政策金融公庫中小企業事業の「甘木・朝倉・うきは地区懇談会」にて「事業承継」の講演を行いました。

日本政策金融公庫福岡支店中小企業事業の「甘木・朝倉・うきは地区懇談会」において、「甘木・朝倉・うきはでできる!事業承継対策 ~基礎から応用まで。最後にはコロンブスの卵的な対策も~」という内容で講演を行いました。

講演中の質問も多く出され、その後の懇親会でも、相続・贈与・事業承継に係る質問が多く、斯事項に関する関心の高さを痛感しました。

参加者は、業種も多種多様で、甘木・朝倉・うきは地区に根付いて、この地域のみならず日本を牽引されている会社の経営者の方々です。 皆様とお話しして、この地域が元気なことを実感すると共に、経営者の方々の元気さにこちらが元気を頂きました。

今回の講演が少しでも皆様のお役に立てたのでしたら幸いです。

愛媛経済同友会で事業承継の講演を行いました。

2月7日(金)に愛媛経済同友会(愛媛県松山市)にて、「事業承継対策 基礎編~応用編」の講演を行いました。

色んな業種、立場の方約60名の方が参加され、熱心に聞いて頂きました。

その後の懇親会で様々な方とお話ししましたが、1)既に退任日を決めて着々と事業承継を実践されている方、2)ちょうど事業承継を形にする必要があると思っていた方等、百人百様の対応があるのを実感しました。

松山市は16年振りにお伺いしましたが、ゆったりとした空気の流れる良い都会ですね。

今回の講演が少しでも皆様のお役に立てたのでしたら幸いです。

3月5日(木)に大阪中小企業投資育成㈱さんで税制改正のセミナーを行います。

3月5日(木)に大阪中小企業投資育成株式会社さんで、プルデンシャル生命さんと一緒に税制改正セミナーを行います。

希望者は、添付ファイルを出力の上FAX頂くか、大阪中小企業投資育成さんのホームページからお申し込みください。

令和2年度 税制改正大網
~活用した法人だけが恩恵を受ける税制改正~